Useful Information 県内事業者向けお役立ち情報
一括免税カウンターの
モデル事業実施について
県内で免税店や一括免税カウンターの導入を検討している事業者の参考となるよう、モデル事業として、
一括免税カウンターの設置に意欲のある事業者を選定し、実際に設置・運営を行いました。
本件では会津本郷焼事業協同組合を対象としてモデル事業を実施した様子についてご紹介いたします。
会津本郷焼事業協同組合
福島県会津美里町に拠点を置く「会津本郷焼事業協同組合」は、400年以上の歴史を持つ伝統工芸「会津本郷焼」の事業者によって構成されています。
地域内に点在する各工房をつなぎ、販売促進や観光客対応など、産地全体での魅力発信と販路拡大に取り組んでいます。
一括免税カウンターを導入した目的
会津本郷焼事業協同組合
事務局
松田 純一さん
会津美里町では、会津若松や大内宿といった周辺エリアに比べ、海外からのお客様の来訪がまだ多くないという現状がありました。地域の魅力やものづくりの価値をより広く知っていただくためには、新たなきっかけづくりが必要だと考えていました。
その一つとして検討したのが「一括免税カウンター」の導入です。免税対応が可能になることで、海外のお客様にとって訪れやすい環境を整え、美里町まで足を延ばしていただく動機づけにつなげたいと考えました。県による情報発信や支援があることも後押しとなり、地域として挑戦する決断に至りました。
制度自体は以前から認識していたものの、自主的に進めることには不安もありました。特に、各窯元のレジ体制や販売管理が免税手続きに対応できるのか、必要書類を適切に整備できるのかといった点は大きな懸念でした。
しかし、将来的なインバウンド需要の拡大や売上向上の可能性を見据えたとき、長期的なメリットが上回るのではないかと判断しました。県のサポートを受けながら取り組める環境が整ったことも後押しとなり、最終的には導入に踏み切りました。
本取り組みは、地域に新たな来訪のきっかけを生み出し、会津美里町のものづくりの魅力を国内外へ発信していくための第一歩です。
一括免税カウンター(手続委託型消費税免税店)とは
一般的に、消費税免税店には「一般型消費税免税店」と「手続委託型消費税免税店」の2種類があります。
今回のモデル事業で導入している「一括免税カウンター」は、このうちの「手続委託型消費税免税店」に該当します。
| 一般型消費税免税店 | 手続委託型消費税免税店 | |
|---|---|---|
| 定義 | 販売場を経営する事業者自身がその販売場において免税販売手続きを行う消費税免税店。 | その販売場が所在する商店街やショッピングセンター等の特定商業施設内に免税販売手続きを代理するための設備(免税手続カウンター)を設置する事業者が、免税販売手続きを代理する消費税免税店。 |
| 免税手続場所 | 単一の店舗内 | 特定商業施設内*の免税販売手続きを代理するための設備(免税手続カウンター) |
| 免税金額の合算 |
単一の店舗内での販売のみ。 他店との合算はできない。 |
特定商業施設内の複数の手続委託型消費税免税店の販売額を合算できる。 |
特定商業施設について
特定商業施設とは次の販売場の区分に応じた地区、地域または施設をいいます。商店街で一括免税カウンターを設置するには、参加事業者が特定商業施設であることが条件となります。
以下に、該当する条件についてご紹介します。
事業協同組合
- 免税手続カウンター設置場所 事業協同組合における一の商店街が形成されている地域
- 販売店舗の設置要件 上記地域に所属し、事業協同組合の組合員であること
商店街振興組合
- 免税手続カウンター設置場所 商店街振興組合の定款に定められた地区
- 販売店舗の設置要件 上記地区に所在し商店街振興組合の組合員であること
一括免税カウンターを導入する利点
一括免税カウンターの導入により、以下のような利点が期待されます。
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手続きの一本化
複数店舗で購入した商品を、1か所でまとめて免税手続きでき、来店者の負担を軽減。
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購買促進
免税の利便性が高まり、訪日客の購買意欲・客単価アップにつながる。
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店舗側の業務軽減
各店舗での免税対応が不要となり、販売業務に集中できる。
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回遊性の向上
エリア内での買い回りを促進し、施設全体の売上向上に寄与。
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運営管理が容易
免税書類・記録管理を一元化でき、ミスや対応漏れを防止。
一括免税カウンターでの買い物のイメージ
こちらの制度の導入により商店街やショッピングセンターの中で、店舗を越えて合算して、免税販売手続きが可能になります。
免税手続カウンターで合算金額を管理している場合、同一特定商業施設内での他の手続委託型消費税免税店と販売額を合算して下限金額を超えた場合に免税販売が可能となります。
一括免税カウンター導入までの流れ
一括免税カウンターの導入に向けては、事業者の選定から設置・運用開始までを段階的に進めます。
各ステップにおいて、制度面や運営体制に関する専門的な支援を行いながら、スムーズな導入と継続的な運用を実現していきます。
- 1会津本郷焼事業協同組合と承認送信事業者間で契約
- 2組合と一括免税を導入する各販売所での契約
- 3-1税務署への申請書類の作成 3-2税務署へ許可申請書類の提出
- 4システム使用に係るアカウント設定
- 5運用サポートを介しての導入
準備から開始まで
通常3~4か月で設置可能
承認送信事業者とは
承認送信事業者とは、輸出物品販売場を経営する事業者(いわゆる免税店)のために、その事業者が行うべき購入記録情報の作成および送信を代行することにつき、その納税地の所轄税務署長の承認を受けた者をいいます。
導入モデルケース 準備から本格運用までのスケジュール
会津本郷焼事業協同組合では、地域全体で一括免税カウンターを導入するため、段階的に準備と検討を重ねながら導入を進めました。制度理解から契約、申請、システム設定、そして実際の運用に至るまで、一つひとつのプロセスを丁寧に進めたことで、円滑な立ち上げが可能となりました。以下では、その主な流れをご紹介します。
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2025年8月
事前:一括免税カウンターを導入における確認事項
本事前ミーティングでは、免税制度の概要や仕組みの整理をはじめ、会津本郷焼事業協同組合における免税対応化に向けた現状確認、今後の進め方の共有、必要となる機材の確認などを行いました。あわせて、制度運用にあたっての検討課題についても確認し、導入に向けた具体的な準備を進める場となりました。
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2025年9月
1会津本郷焼事業協同組合と承認送信事業者間で契約
カウンター業務を行うには、国税庁のサーバーへ購入記録情報を送信するシステムが必須です。
自社開発は困難なため、通常は専門事業者が提供する「免税電⼦化対応アプリ/システム」を契約します。やること
免税手続きアプリ(PCやタブレットで使用)の選定と導入契約。
確認事項
「承認免税手続事業者(カウンター型)」に対応しているシステムかどうかを事前に確認すること。
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2025年10月
2組合と一括免税を導入する各販売所での契約
カウンターを利用する予定の各販売所(今回の場合は「会津本郷焼の窯元」や「商店」など)に対して、以下の説明と合意形成のうえ、組合と各販売所で業務委託契約を締結します。
契約書の準備
「免税販売手続業務委託契約書(案)」を元に、雛形を確定します。
費用の合意
手数料率(免税額の何%をカウンター運営費とするか)を決定します。
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2025年10月
3-1税務署への申請書類の作成
所轄の税務署へ提出する申請書類の作成および、必要な資料の準備を行います。
なお、承認事業者(会津本郷焼事業協同組合)と販売所(各窯元・商店)では、提出・準備が必要な書類や内容が異なります。承認事業者(会津本郷焼事業協同組合)準備物必要書類リスト:全7点▼- ① 承認免税手続事業者 承認申請書
- ② 事業内容を記載した書類
- ③ 免税販売手続業務を行う機器等の設置状況書
- ④ 免税販売手続業務の実施方法を定めた書類(業務マニュアル)
- ⑤ 委託を受ける販売場の概要リスト
- ⑥ 免税販売手続業務委託契約書の写し(雛形)
- ⑦ 見取り図
販売所(各窯元・商店)準備物必要書類リスト:全6点+その他参考資料▼- ① 輸出物品販売所許可申請書(委託型用)
- ② 輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書
- ③ 承認免税手続事業者との間で交わした免税販売手続の代理に関する契約書の写し
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④
商店街振興組合又は事業協同組合の組合員であることが確認できる資料
- 組合員名簿など
- ⑤ 見取り図
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⑥
その他参考となるべき書類
- 申請者の事業内容が確認できる資料
- 取扱商品が確認できるリスト、商品カタログ
- 免税手続カウンターにおいて免税販売手続を行うために、販売場から免税手続カウンターへ連絡(共有)する情報が記載された書類
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2025年11月
3-2税務署へ許可申請書類の提出
3-1で作成した書類を、カウンターの所在地を管轄する税務署(法⼈課税部⾨など)へ提出します。
原則として、組合が承認免税事業者の許可を取得した後に、各販売所が申請を行います。
ただし、組合が、承認免税手続事業者の申請手続き中である旨をあらかじめ税務署へ説明した場合には、窯元による申請を同時に受領してもらうことが可能です。審査期間
1ヶ月程度
注意点
審査中に、担当官からシステムの仕組みや現金の管理方法について質問がある場合は、実務担当者が対応します。
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2025年12月
4システム使用に係るアカウント設定
審査が通過すると、各販売所へ「承認通知書」および「識別番号通知書」が送付されます。
承認通知書について
各販売店が税務署から輸出物品販売場(免税店)として承認を受けたことを証明する書類
識別符号(ID)について
「識別番号通知書」に記載された識別番号がシステム登録に必要なので、組合を通して承認送信事業者に連携します。10日程で登録完了すると、免税販売の受付が可能となります。
送信されたデータは承認通信事業者によって法律に定める期間保管され、日々の免税件数、売上等インターネットで確認することができるようになります。参加店舗との本契約
各販売所と会津本郷焼事業協同組合が正式に「業務委託契約」を締結します。
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2026年2月
5運用サポートを介しての導入
レジ周辺の導線設計を確認したうえで、動作確認およびテスト運用を実施し、免税専用カウンターを設置。併せて、免税対応を明示するPOP・ポスターの制作・掲示ならびに多言語案内表示の整備を行い、訪日外国⼈のお客様が円滑に手続きを行える環境を整えます。
また、スタッフ間で免税手続きの流れや確認事項を共有し、研修を実施し、そのなかで想定ケースに基づくロールプレイングを行い、案内から手続き完了までの⼀連の対応を確認することで、実務に即した運用体制の構築を進めます。
免税精算の流れ
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01
① 各販売所:通常購入
各販売所(各窯元・商店)において、お客様が円建てで商品を購入
※合計5,000円以上の購入が免税対象
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02
② 各販売所:案内
免税対象となるお客様を、組合内に設置した⼀括免税カウンターへ案内
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03
③組合(一括免税カウンター):
免税手続き組合にて、購入内容および旅券等の確認を行い、免税手続きシステムへ入⼒
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04
④組合(一括免税カウンター):
手数料を除いた消費税相当額の還付各販売所でお預かりした消費税相当額のうち、所定の手数料を差し引いた金額を組合よりお客様へ返金
カウンター運営相関図
導入時の準備物について
導入後の店内では、一括免税カウンターの設置に合わせて、必要な機材や案内表示などの準備を行います。これにより、観光客が安心して利用できる環境が整えられるとともに、店舗スタッフもスムーズに免税手続きを案内できます。ここでは、導入にあたって準備する必要のある備品と、実際の導入後の店舗についてご紹介します。
事業者側で準備する備品について
免税対応を行うにあたっては、以下の2点が必須となります。
そのため、導入前に事業者側であらかじめ準備しておく必要があります。
① PC
② パスポートリーダー
スマートフォンアプリで代用可能。
店舗POPについて
一括免税カウンター導入後、承認送信事業者より免税店向けのPOPツールが配布されます。
主な配布物は以下のとおりです。
なお、配布されるツールの内容は承認送信事業者によって異なる場合があります。
① ポスター
② シール
免税制度改正について
訪日外国人向け消費税免税制度については、令和8年(2026年)11月1日より制度改正が予定されており、免税手続きの方法や運用ルールの見直しが行われる予定です。これに伴い、購入時の手続き方法や事業者の対応内容が一部変更される可能性があります。
最新の制度内容や具体的な手続きにつきましては、関係機関からの案内をご確認ください。